猛獣スチューデント2

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確かに俺より身長高くて声低いけど、だったらなんだ!!俺は(これでも)れっきとした大人であり、教師の卵なんだ!! 自分に言い聞かせて、俺は職員室の自分の席につき、三限めに使用するプリントの作成を始める。 その最中も、何故か心臓は少しも落ち着きを取り戻せなかった…。 三限めの授業。 危惧していた神楽だが、特にこれと言って何もしなかった。 いつも通り授業に出席し、寝ることもなく、黙々とルーズリーフに書いていた。 他の生徒は何人か授業中に騒いだりしてチャチャを入れてくるが、神楽はそれすらもない。 屋上でのことが、まるで何事もなかったかのように。 「…はい、時間になったんで後ろからプリント回収してきてください」 プリントを全て回収したところで、タイミングよくチャイムが響いた。 「今日の授業はこれまで。中間テストの範囲、ちゃんと復習しとくように」 「げぇー!!最悪~!!」 「テストって単語、マジで憂鬱だよなぁ…」 騒然とする生徒達に笑い、プリントを整理する。 視線を感じ、顔を上げると…。 神楽が真摯な表情で、頬杖をつきながら、俺を見つめていた。 おもむろに立ち上がり、俺に近付いてくる。 心臓がドクンドクンと脈打ち、距離が近くなるにつれ、合ってる視線が怖くなり逸す。 俺の前を通り過ぎる時、俺だけに聞こえるような小声で呟いた。 「プリント、誰にも見せないでくださいよ?」 「え…?」 それだけ言い残し、神楽は教室を出ていく。 なんだ…?プリント? 俺は職員室に戻り、パラパラとプリントを捲る。 神楽のプリントを見つけて…俺は頭を抱えた。 「あいつ…何考えてんだ…!!」 プリントの右端。 そこには小さな文字で《緊張で顔が引きつってますよ。可愛いので注意した方がいい》と書いてあった。 耳まで赤くなってるであろう自分の姿を、誰にも気付かれないように、俺は手で顔を覆った。 一体なんなんだよ、あいつ…!!
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