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かなり大きな川だ。それに加え流れも早く、荒れている。何故こんなに酷いのかをマスターに聞いた事がある。よそ者を寄せ付けない為だとかぬかしていたが、あそこに行くのは俺しかいない。ただの嫌がらせだろうな。
そんな事を考えながら、近くの木陰から一隻の小さなボートと2本のオールを取り出した。夏が近いからか、虫が宙をとんでいて鬱陶しい。
虫を避けながらボートを川辺に持って行く。
ボートを川に乗せ、俺もすぐボートに乗った。前まではもたついていたこの動作も、今ではスムーズにやれるようになった。
オールを両手に持って、慎重に漕ぎ出した。
いくら慣れたからと言っても、細心の注意を払わなくちゃいけねーのが現実。これをめんどくせえの一言で片付けたら、もっとめんどくさい事になる。
気だるさはあったけど慎重にボートを進めて行くと、荒れていた川が徐々に落ち着いて来た。だが不思議な事に、流れは遅くなるどころか早さを増していた。
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