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幸せの意味を探し続けていた。 オルガレ・オルレイは今妻の腕の中で眠る我が子の姿を見つめながら、今もその意味を探していた。 そもそも、この子は自分の子供なのか?とオルガレは信じられない気持ちでいた。 母親は自分の腹を痛めて子を産むから、自分の子供を心から愛する。しかし、父親は自分の腹を痛めて子供を産んだわけではない。だから、始終この自分の子供と言われている命は本当に自分と妻の愛の『結晶』なのか、と疑い続ける。 そんな馬鹿な話はあるまいとオルガレは思ってきた。自分の子を他人と子供だと疑い続ける親はいまい、と。 が、事実自分は目の前で確かに呼吸を繰り返す小さな命の灯火に疑いをもって向かっている。 妻が軽い女だとは思わない。 少なくとも自分の知る限りでは、の話だが。 とはいえ、疑っていても始まらない。 多くの人の命を奪ってきた自分が、今は新たな命を授かり、その手に抱く機会すら得ている。 妻がオルガレの方にすやすやと眠る赤ん坊を差し出すようにした。 まだ少ししぼんだような印象を受ける寝顔を見つめ、受け取ろうとして、躊躇うようにした手が宙をさ迷った。 妻はオルガレの抱える呵責を知っている。だから、彼女は少し悲しそうな笑顔を浮かべた後、先程よりも強めに赤ん坊を腕の中に抱いた。 「あなたの分だけ私がこの子に愛情を捧げます」 と言った彼女の声が胸に突き刺さった。
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