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カイ「さてみなさん。 今は試験に対して心をおどらせている方、緊張している方、様々だと思いますが、ここで一つ真面目な話をさせていただきます」
カイは全体を見渡すように顔を動かした。
「単刀直入に言います。 あなた達は、命を捨てる覚悟がありますか?」
その言葉に、ホールの空気がはりつめた。
カイ「他人のために自分の命を犠牲にする覚悟はできていますか? …残念ながら私達の組織も毎年多くの方が亡くなります。 そのだれもが、何かを守るべく犠牲になっています。 この組織に入るにはそれなりの覚悟が必要です。 この話を聞いて自分にはムリだと思った方は、遠慮なく退場してもらってもかまいません。」
その言葉にはとても重みがあった。
ホールが再び騒つく。
ほとんどの人は覚悟している事であったが、この時点でホールを出ていく者もいた。
カイ「ここを出ていくことは何も悪い事ではありません。 自分の命が何よりも大事だと言うのも、私は当たり前だと思っています。」
人数は少しは減り、騒つきもおさまってきた。
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