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「すごーい」
涙がまだ目にたまっていたが、止まっているようで、大きく見開いた目から最後の涙が一筋溢れた
「あげるよ。もう泣かないで。」
「うん!」
可愛い。
うん。可愛い。
次に恋したら、その人と絶対結婚しよう。
そしてこの子みたいな子供が欲しい
なんて……
現実逃避しすぎかな。
口に飴玉をふくんだ彼女を母親の心境で見つめていると、思いっきり腕を捕まれて、私はそのまま立ち上がった
振り返って見たのは、憎らしいほど綺麗な顔立ちの
清水 柊
額から少し輝く汗がセクシー……
じゃなくて!
私ばか?
「何やってんの?」
「えっ。な…… 何って?」
相変わらず、冷たい目で私を見て、何とも思ってませんみたいな態度で、見下ろして……
好きな人は別れて二ヶ月たっても愛しちゃってるくせに、好きでもない人は、そんな目でみちゃうんだ。
「お兄ちゃん?」
私はびっくりして、振り返ると、飴を口に含んだままの女の子が、私よりも首をキツイ角度で見つめていた。
「花?」
花と呼ばれた女の子は、清水柊に、また「お兄ちゃん!」と、天使の笑顔でこの悪魔野郎(目とか特に)の足に抱きついた
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