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千年の恋も覚めるとは言ったものだ。
よくも今しがた告白してきた相手に言えたもんだ。
こんなの私が傷つくだけじゃないか。
好きじゃないのに好きな振りをされて、付き合って、報われないのに思い続ける振りをして欲しい?
馬鹿も休み休み言え。
無神経にもほどがある。
「別な人に頼んでください。」
そう言って、立ち去ればよかったものを、私の何処にある親切なのか、柊君にその一言が言えずに立ち尽くしていた。
今日まで、話しもろくにしなかった彼と…
目があったことも数回しかない彼が、私をまっすぐ見つめている。
ここで笑いかけられでもしたらどうにかなってしまいそうだ……
ニコッ。
刹那―
彼が笑った
「トンボ。止まってる。」
私の頭に乗ったトンボ!
バカヤロー
そしてありがとう!
トンボが飛んでいったのか、顔が笑顔から無表情に変わると、
「返事は?」
「あ。はい。愛されます。」
あぁ。
トンボのバカヤロー!!
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