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「あ、にーさーん!」
一人嬉しそうに小デブが走ってくる、くらべて俺の隣にいる図体のでかい男は真っ暗な顔で人混みを見つめている。
「おい根暗。少しはまーくんみたいに笑ってみろや」
「せやから言っとるやん。
人混み嫌いやて、人混みって【人で混んでる】って書くけど俺にいわせたら【人塵(ゴミ)】や」
わけのわからない屁理屈をつけるもんだから、説得する気もなくなり放置を選択する。
「兄さん!あっちに射的ありましたよ!やりましょやりましょ!」
こいつのテンションもこいつのテンションでムカつくけど。
ああでも、いいこと思いついた。
先に駆けていったまさよしを見ながらポツリと藤原にいう。
「射的でまーくんに勝ったら、
1日お前の言うこと聞いたるわ」
藤原は何かの聞き間違えかのように急いでこっちを向いた。
「負けたり、棄権したりすんなら、一週間お預けな?」
「やります!やらせていただきます!是非!」
そういうと藤原もまさよしをおって走っていった。
あ、なんか楽しくなりそうや。
「あの将棋とったやつが勝ちや!」
「なんか急に藤原さん盛り上がってますね」
「まぁあいつにとって最高級のご褒美と、最悪の禁止令やからな」
終
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