懐かしき呼び鈴

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「……?」 四階ある階段を上がって、後一階って所だった。 微かに上の階から人の声が聞こえる。 会話とは違う。 この繊細なリズムと音程……音楽だ。 俺は気付かぬうちにその切なく胸に響く歌声に聴き入っていた。 そして、その声が途絶えたと同時に足を進め、屋上の扉を開く。 「授業放棄者何処だ!」 しかし、俺の目に映ったのは、想像していた髪の染めた不良ではなく、まだあどけなさの残る一人の少年だった。
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