懐かしき呼び鈴

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「……神威(かむい)……」 「神威? 下の名前は?」 神威はゆっくりと腰を上げ、真っ直ぐ俺を見る。 「……零(れい)」 零か……良い名前だ。 それに神威と言う名字もこの辺りでは珍しい。 それにしても、身長は俺とほぼ変わらない……いや、少し低いか。しかし、この顔の差は何だ。 先ほど自分で自分の顔は普通だと言った自分が恥ずかしい だが、ここまで整っていると逆に怖い…… 女性並みに大きい目、すっと伸びた鼻筋、すっきりした輪郭に珠のような肌。 容姿端麗とはまさにこの事だろうか。 「神威零だな……携帯は放課後職員室へ取りに来い、いいな?」 「……。」 「返事はどうした」 「……。」 本当に無口だな…… コクンと頷くなコクンって! 神威の動作に焦りを感じていた俺は、足早に屋上を出ようと背を向けるたが、それは神威によって制された。 俺は、俺の服の裾を握り、こちらを見つめる神威を見る事が出来ず、目を反らす。 「何だ神威……」 目を反らしたままの俺は、何故神威を見る事が出来ないか理解出来ず、混乱した。 そんな俺は、次の神威の行動に更に混乱する。
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