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桜が舞う並木道をゆっくりと歩く。
両端から、道を覆うようにして植えられた桜は既に満開。
風に吹かれ舞い散る花びらが、道を行く生徒達を迎い入れるかのように宙を舞い、地に落ちた。
もうすぐ歩けば『風凛学園』と書かれた大きくそびえ立つ門が見えてくるはずだ。
『風凛学園』
賑わう商店街から少し離れた丘の上に設置された高等学校。
偏差値もそこそこで、部活動も多々、姿形もあの頃と何も変わってない。
七年前、俺はこの学園を旅立った。
浅井晃(あさいあきら)、それが俺の名前。
今年25歳になる。
身体付きはそこそこ、顔は……多分普通だと信じたい。
その俺が青春時代の頃の夢だった教師と言う夢を叶え、贅沢な事に母校で勤める事となった俺は今、学園の校長兼理事長へ挨拶へ向かう最中だ。
緊張などは全く無い。
逆に懐かしさと嬉しさが混じり胸を踊らせている。
柄にも無く軽くスキップを刻みながら、俺は長い桜道を歩いた。
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