小生

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小生空を見る まぬけ面で雲を見る 灰色のこの重い幕を 君もどこかで見ているだろうか 小生池を見る 仔猫のような不安顔で 緑いっぱいの池を見る ひょっとしたら どこかに君が写っていないかと 小生草を見る 風に吹かれ雨に打たれる 名もない草が 一瞬だけ 君に見えた気がしたから 小生風を見る すぅ…と頬撫ぜる風が 君の冷たい手に似ていたから 小生 ついに君を見る うす汚れた つかれた顔 どこにでも居そうで なぜか見つからない君を 小生やっと鏡の中に見つける そいつが小生に 「私は私だよね」と問うものだから 小生は首をかしげて 「おかえり」と云ってやる
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