第二章

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弟はそう言うと顔を上げて音羽の方を向いた。 「何?あたしが相談乗れる事なら何でも聞くけど?」 弟は立ち上がると部屋の扉の前まで行き振り返って言った。 「姉さんしか解決できない事かもね」 言い終わるのと同時に扉の鍵が閉まる音が音羽の耳の奥に聞こえた。 「何…?どうして鍵閉めるのよ」 ベッドから立ち上がり弟に近寄り鍵を開けようと手を延ばした時に強い力で腕を捕まれた。 「わかんないかな…」 そのまま腕を自分の口元に持っていくと手の甲に唇を寄せた。 「一…輝……?」
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