第一章

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家に帰ったのはもう12時を過ぎていた。家は静まり返り、両親はもう寝ていた。 キッチンに行きグラスに水を入れるとそれを一気に飲み干した。 人を傷付けてるなんて考えない。 美里を利用してるのはわかっていてもやめれない。 椅子に座ると耳に響く静寂の音。 それを破ったのは玄関の物音だった。 「あれ、一輝まだ起きてたんだ?」 リビングに来た姉が上着を脱いで話しかけてきた。 「こんな時間まで遊んでるとか不良だな」 笑って言い姉を見た。 「一輝こそ今さっき帰ってきたって感じじゃん。それにあたしは不良なんて年齢じゃないし」 長い髪の毛を束ねた姉の首筋に赤い鬱血の跡が見えた。 香水の香りも消えていた。 一輝は立ち上がるとそのまま自分の部屋へと足を運んだ。 あれは紛れも無くキスマークだった……
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