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「ねぇ、あれ、何なの?」
上地が水の玉を指差しながら聞いた。
「これは……」
徳井は何か心当たりがあるようだった。
その時、車の前と後ろにほぼ同時に人が立った。
四人が前に立った人を見ると、
「……山根さん?」
三日前の番組の収録で会ったお笑い芸人の、山根が立っていた。
「俺、ずっと山根さんたちに追われてたんですよ!」
上地が叫んだ。
「たちって事は……」
四人は後ろを見た。
二人の男が立っていた。
「村上と亘!?」
徳井は叫んだ。
「あ、そういえば雄輔、あの石は?」
つるのが思い出したように聞いた。
「それなら、ここに……」
上地がポケットから、黄色に光る石を取り出した。
光が強くなっていた。
「……上地も、無意識に飲み込んだようやな」
徳井が言った。
「なら、見えるやろ。後ろの二人、オーラ出しとる」
野久保が村上と亘を見ると、二人の周囲の景色が蜃気楼のようにゆらいでいた。
「え?」
野久保は目を擦った。
「見える!確かに透明なオーラみたいなのが見えますよ!」
上地が叫んだ。
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