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その時だった。
山根が大きく右腕を動かした。
その瞬間、山根の身体から藍色のオーラのような光が発せられ、同時に大きな水の玉が何個かのバスケットボール大の玉に分裂した。
「え!?」
「何ですか、あれ!?」
上地と野久保は山根のオーラに驚いたが、
「へ?何?」
つるのだけは見えていないのか混乱していた。
「つるのもここまで来たら関係者や。あの石、飲み込んで!」
徳井がつるのに言った。
つるのが言われた通りにして右手を握った直後、水の玉の一つが車に向かって飛んできた。
「野久保!水に意識を集中させて!」
徳井が叫んだ。
「え?え?」
野久保は訳が分からず水の玉を見た。
直後、水が凍り付き支えを失ったかのように地面に落ちた。
「……え?」
つるのも野久保も、状況が理解できずに呆然としていた。
「……やっぱり。もしかしてと思ったけど、あの水、山根さんが操ってる」
上地が呟いた。
水の玉のいくつかは、同時に村上と亘にも向かって飛んでいった。
しかし、二人は拳銃を取り出しながら全ての水の玉を避けた。
「あの二人と山根さんは、敵同士なんですか!?」
野久保が聞いたが、答える人はいなかった。
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