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「ノック!」
三日前。バラエティー番組の収録直前。
野久保の控え室に入ってきたのは彼の友達の俳優、つるの剛士と上地雄輔だった。
「さっき、ここの前の廊下でこんな物拾ったんだけど……」
上地はそう言ってポケットから三個のガラス玉のような物を取り出した。
それは直径三センチほどの、丸い透明な石だった。
石はそれぞれ中央部に淡く光るように色がついていた。
一つは赤、一つは青、一つは黄色。
「なんですか、これ?ビー玉?」
野久保が青く光る石を手に取り言った。
「ビー玉にしては大きくないか?ノックも知らないみたいだな」
つるのが石を見ながら言った。
「今日の収録の出演者に聞いて回ったけど、誰も知らないって」
上地が黄色に光る石を手に取りながら言った。
野久保は石をじっと見た。
部屋の明かりに照らされて淡く光る石は、引き付けられるような魅力を出していた。
「これ、貸してくれませんか?他の番組の共演者に見せて、持ち主を探してみます」
野久保が提案した。
「いいな、それ!雄輔、俺にも一個貸してくれ!」
つるのが言い、上地から赤く光る石を受け取った。
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