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そして、事件当日の朝。
野久保の家のインターホンが鳴った。
「はい」
野久保がドアを開けると、
「品川さん!」
三日前の収録で一緒に仕事をしたお笑い芸人が立っていた。
「おはよう、野久保。朝早くにゴメン。お前ら三人が持っていたあの石の持ち主が分かったんだ。渡しておくから、あの石くれないか?」
品川が言った。
「持ち主、見付かったんですね。よかった」
野久保はそう言って、玄関の横にある棚の上を見た。
前の日に石をそこに置いたはずだった。
「……あれ?」
しかし、そこに石は無かった。
「もしかして、石無くなったのか?」
品川が聞いてきたので、野久保は頷いた。
「そうか……遅かったか……」
品川は悲しそうな声を出すと、
「ゴメンな、野久保」
そう言って拳銃を取り出して野久保に向けた。
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