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後部座席には、野久保が乗った時既につるのが乗っていた。
「つるのさん?」
つるのは上地が渡したあの石を握りしめていた。
「ノック!大丈夫か?大将と庄司さんがなんで?」
つるのも状況を理解していないようだった。
「説明は後でするから!今は逃げるで!」
運転席から声が聞こえた。
野久保が運転席を見ると、知り合いのお笑い芸人の徳井がハンドルを握っていた。
「徳井さん!?」
「お前、上地からもらった石今持っとるか?」
「それが、無くなってしまったんです!」
徳井はミラー越しに野久保を見た。
「……どうやら、無意識の内に飲み込んだらしいな」
「飲み込んだ!?石をですか?」
「そうや。右手を強く握ってみ!」
野久保が言われた通りにすると、
「……え?」
なぜか右の拳に石が入っていた。
しかも、上地からもらった時よりも明るく青く光っていた。
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