first day

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「どういう事で……」 野久保が聞こうとしたが、 「上地を拾うから、ちょっと待ってて!」 徳井はそう叫びながら車を走らせ続けた。 十数分後、 「あ、雄輔!」 つるのが住宅街を走っている上地を見つけた。 野久保が窓を開けて、 「雄ちゃーん!」 上地を呼んだ。 車に乗っているつるのと野久保を見つけた上地は走って近づいてきた。 徳井が車を止めた直後、 「ヤバイって!一体何なんだよあれ?!」 上地は野久保にまくし立てた。 「何があったんで……」 野久保が聞こうとした時、上地の後ろに迫る何かが見えた。 「え?」 野久保は自分の目を疑った。 「雄輔!助手席に乗れ!」 つるのが叫んだ。 上地が助手席に乗った直後、車は急発進した。 しかし、直後に急停車した。 「うわあ!」 「いてっ!」 「どうした?!」 野久保、上地、つるのが叫んだ。 徳井は無言で正面を指差した。 そこには、上地が追われていた何かが浮いていた。 それは水だった。 車を飲み込むくらいの大きな水の玉がまるで意志があるかのように浮いて、車の進路を塞いでいた。
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