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「…どうかしたんですか?」
心配してくれているようだ。
あなたが原因なんですけどね、はい。
「昨日のことを思い出してた」
「…あぁ…良かったですよね、先生の許可おりて」
「そのおかげで、俺の昼休みは週三で潰されることになったんだがな」
「…でも、前から週三で来てたじゃないですか」
「……」
良い切り返しを脳内検索……うん、見当たらない。
「…来てましたよね?」
「繰り返さんでいい」
「…嫌々で来てたんですか?」
「……少し文句を言いたかっただけだ……悪かった、謝る」
「…ふふ、別にいいですよ」
俺を言い負かしたことに満足したのか、彼女は微笑み、再び、ただ浮かぶ。
彼女と出会ったのは約一月前、変な出会いであったと思う。
でも、
彼女と出会えたことは、悪くはなかったと思っている。
「…うりゃ」バシャ
ビシャ
「…」
強制冷却された頭で思った。
前言を撤回すべきではないか、と。
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