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車で行こうとしたが、全員が病院に行っているせいか、なかった。
仕方なしにもう一度、来た道を走って戻る。病院は駅から少し離れた場所にあるからだ。
「初めから病院へって電話してくれたら良かったのに…急いでるんだろっ!」
毒づきながらも、ひたすら海沿いの道を走る。俺の体力がだんだん、心配になってきた。
息が上がり、走るスピードが
落ちてくる。
これじゃ、急いでいるどころかたどり着くのがかなり遅くなってしまう。
自分の不甲斐なさにイライラしていたその時、背後から車のクラクションが鳴り俺の横で軽トラックが停まった。
「よぅ!やっちゃんじゃねーか帰って来てたんだな。詩ちゃんがアレじゃあなぁ」
声をかけて来たのはシロクマの常連のおじさんだ。
詩子がアレってのが気になるがとりあえず、今は……
「おじさん!詩子がアレだから急いでるんだ。良かったら俺を病院まで乗っけてってくれない?」
「よし!いいぞ、乗れ!急がなきゃなあ…飛ばすぞ!」
飛ばすのはいいけど、安全運転で…と思ったが心の中にしまっておこう。
詩子のアレっていうのは病院にいけば分かる。
今はこの少し荒い運転に耐える事に集中しよう。話しかけたら俺の命が危なくなりそうだ。
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