それから……

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三階につき、エレベーターの扉が逸る俺の気持ちを逆なでするように、ゆっくりと開いた。 入院病棟なのは、ここに来て直ぐに分かった。 だが、焦る気持ちは冷静な判断力を無くし、周りの状況を見えなくしていた。 教えて貰った部屋番号だけを探し、一つづつたどっていく。やっと見つけた306号室。 ノックもそこそこに扉を勢いよく開けた。 「詩子!」 部屋にはベッドが四つ。 うち三つがカーテンでベッドを隠していて様子が分からなくなっていた。 「片岡さんの身内の方?今出た所なのよ」 カーテンが開いているベッドの所から看護師が顔を覗かせ答えてくれた。 詩子の居たベッドなのか? 「出た…?どこに…」 「八住!」 看護師に問い掛けようとした時腕を引かれた。 振り返り声の主を見た。 「じょ…丈太郎さんっ!あのっ詩子は!?」 「いいから、急げ!」 そのまま腕を引かれ小走りで 来た道を戻る。 エレベーターの前まで来ると部屋とは逆の方向にそのまま歩いて行く。 何度か曲がった扉の前に愛田家の面々が揃っている。 全身の血が引いていく感じ。 な…んだ…よ…これ? .
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