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「初めは誰でも不安に思うもんじゃねーの?オヤジみたいに子沢山ならまだしも、いきなり自信満々のほうが見てて不安だ。一緒に育っていけばいいんだよ」
丈太郎さんの言う通りだ。
幸い、愛田家の皆は子育てに慣れている。こんなに心強い事はない。
受け取ったバックを詩子に渡しまた来る約束(当然だけど)をしてシロクマに戻った。
まだ夢の中にいるようで、地に足が着いていない感じがする。
「……もっと、赤ちゃんの顔見てくれば良かった。写真とかも撮りたかった」
ぼそりと呟いた言葉を聞き逃さなかった丈太郎さんは、素早く俺の額にデコピンをかました。
い…痛いって!
「写真より、やることあるだろ?」
ニヤリと笑う丈太郎さん。
敵わないな。
「……わかってます。明日朝一で取りに行くつもりです」
何だか照れ臭い。
いずれはと思っていたけど、こんなに早くその時が来るとは思っていなかった。
不安だらけだけど、期待のほうが大きい。先を思って気持ちが高ぶるのは初めてだ。
早く、我が子に名前をつけて
あげないとな……
本当に、やることいっぱいで
忙しくなりそうだ。
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