零れ落ちる時間

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俺はよくティエリアに聞かせた。喜んだり、悲しんだり、人間の感情、「ココロ」というものを。 しかし、やはりティエリアにはわからないようで、いつも不思議そうな顔をして聞いていた。 時間だけが、刻々と過ぎて行く。俺に残された時間は、あと少ししかない。言うことを聞かない、痛む体。 しかしティエリアにはそれがわからない。ティエリアは死を理解していない。 俺が死んだら、こいつは一人で残される。「ココロ」も知らないまま、ただ静かに、ただ人を形どった「物」としてここにいるのだ。  
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