サンビカ

亡くしたココロ

机の上に、水の入ったコップに挿された花が置いてある。僕を作り出したマスター、ニール・ディランディと先日、外出した際に彼が摘んできた花だった。

最初は鮮やかな色を保っていた花だったが、徐々に色彩を衰えさせていた。

ある日、彼がふとした拍子にコップを落としてしまった。床に散る硝子の欠片と水、花。
僕がそのゴミを片付けている間、彼は不思議な表情を浮かべて僕を見ていた。