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彼は時折パソコンを見つめて考え込む。そういう時は決まって画像を見ている。
彼と、彼の隣で“見知らぬ表情”で写る“見知らぬ”「僕」
その画像――写真は数枚あるようで、彼は度々何枚かの写真を見つめてはどこか遠いところを見るような、そんな表情を浮かべていた。
ある日。彼が机に突っ伏してうたたねをしていた。そっと近寄ってみると、寝言が聞こえてきた。
「ティエリア」
「ティエリア」
「いかないでくれ」
「ティエリア」
おいていかないで。
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