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「ニール」
彼の、どこか小さな子供のような声を聞いていたくなくてそっと揺り起こすと、彼はゆっくりと目を醒ました。
ぼんやりとした、水に濡れた目をして、僕を見るなり抱き締めてくる。
何度も、何度も僕の名前を呼びながら。
ああ、僕にはわからない。だって僕はロボットで、ニール・ディランディに作られた存在で、僕の中には0と1しかなくて。
僕には「人」がわからない。
僕には「ココロ」がわからない。
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