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羊はいなくなって、僕はこっそり枕に顔を埋めて泣いた。
きっと、羊のために泣く誰かなんて、いなかったんじゃないかな。
これは、僕の勝手な想像だけど。
きっと今日は、とても星空がきれいだと思う。そしてそれと同じくらい寂しい。
隣りに座っている猫は、何も語らない。でも、きっと今、きみも泣いているんじゃないかな。
世界に優しさが溶けて、ミルクを垂らしたような天の川が、七夕でもないのにきらめいた夜の片隅で、羊が死んだ。
そしてそれは僕と猫以外、あるいは羊に会った誰か以外、誰も知らない終わり。
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