失われた時間

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モニターに映し出された『それ』を彼はまじまじと見つめた。 ここに『それ』があるはずがない。 少なくとも『それ』がないことは彼が一番わかっていたはずだった。 彼は疑問を投げ捨てた。 儀式には『それ』が一番ふさわしかったから。 そんな疑問は無意味なものだった。 彼は震える手でリモコンを操作すると軽妙なイントロが流れだした。
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