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チュンチュン…
眠たい目を擦りながら、いつもと変わらぬ場所にある目覚まし時計を手にとる。
「7時か…ちょっと寝坊したな」
そう言いながら、朝のシャワーを浴びる時間を計算するが、どうにも浴びる時間を割けそうにもない。
仕方ないと気持ちを切り替えると手早く制服に着替え、母親が作ってあるだろう朝食を食べる事にする。
「おはよう…あれ?母さん?」
いつもはそこにいる母親の姿が、今日に限ってない。珍しいな…と思っていたら、後ろから声が聞こえてきた。
「おはよう。ごめんね、すぐに朝ご飯を用意するから」
「珍しいね、母さんが寝坊するなんて」
いつもなら、今日の予定やクラスで起きた面白い話、時には真面目なニュースの話から始まる会話が、今日は違った。
しかし、母親が寝坊するなんていつぶりだろう…小学生の時?いや、幼稚園児の時すら、母親が寝坊した記憶なんてない。
「そうね、お母さんもビックリしちゃった。いつも通りの時間に寝たのに。」
いつもと違う会話に、俺は新鮮さを覚えた。
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