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「カチャ…」
部屋の扉を開けた途端に手が止まる。
微かに…だが確実に聞き覚えのある声がすすり泣いている。
母さん…?
恐る恐る歩みを進める…
テーブルには見慣れたボトルとグラスだけが置いてある。バーボン…それもブッカーズ、かなり強い酒だ。
「源太さん…」ポツリと呟く。
俺はそのまま部屋へ戻り、ベッドに潜り込んだ。
すすり泣く声が耳から離れない。
頭を振る。
それでも声はなりやまない。
何故だろう、悪夢を見ると決まっていても、それでも夢を見たいと願っていた。しかしそれは叶わぬ夢だった。
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