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ベッドに入ってから、今まで何回時計を見ただろう。
時計が壊れてるんじゃないかと思った。時間が止まっているじゃないかと思った。
これまで生きてきた中で、一番長かった夜が明けた。7時30分、母親は何もなかった様に会社へと向かう。俺は「いってらっしゃい」すら言えず、ずっとベッドに潜っていた。
それは、母親が家を出てからも変わらない。
自分が何を考えているかも分からず、ただ時間が早く過ぎる事を祈った。
何も考えれない。ただただ、どれだけ母親が自分を大切にしているか分かりたくなかった。ただただ、自分が母親に何をしてあげれるか分かりたくなかった。そして、自分がどれだけ子供か…それさえも。
そんな時、突然に携帯が鳴る。
美咲からだ。俺は留守電へ切り替える。何か吹き込んだみたいだが、俺は気にさえしなかった。
美咲の伝言吹き込みが終わると電源を切り、乱暴に投げ捨てた。
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