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美咲の教室前になると、美咲の友達が声をかけてくる。それに美咲が反応する。
「あ、美佳ちゃんだ。涼君、じゃあね~」美咲が教室へ入っていくのを見届け、涼も自分の教室へ向かう。
朝のホームルームまでの時間を、この教室でも生徒達が賑やかに過ごしている。
「よう、珍しいな。美咲と一緒に来るなんて。」
声をかけて来たのは、神崎 秀(しげる)だった。
「ああ、なんか早起きしたらしくってさ、家まで迎えに来たんだ。」と、適当に会話を続ける。
「へぇそ~…?んで、核心なんだけどよ、美咲と付き合う決心はついたのか?」
「なんの核心かわかんねぇし、付き合わねぇよ。」
「まだ言ってんのか。間違いなく美咲はお前と付き合いたいと思ってるぞ?」
「それはお前の勘だろ?別に情報ソースがあっての話じゃねぇし、美咲に聞いた訳でもない」
「俺の勘をバカにすんなよぉ?なんせ、半分は勘で受験に合格したんだからな」
秀は笑いながら言う。
「威張る所じゃないだろ」
「そりゃ、実力を隠したままでも余裕で合格出来る八神 涼さんからすれば威張る所じゃないでしょうね~…」
一瞬、間が空く…が
「それもお前の勘だろう」涼はそう続ける。
けど秀も引き下がらず
「どうですかねぇ…」と、反応を伺う事を止めないのは秀の定番だ。
(面倒なんだけど…)
涼が内心呟くと、チャイムが鳴るより早く担任が来た。
「さっさと座れ~。チャイムが鳴った時点で着席してないと遅刻扱いにするぞ~」
「ちょっと、そんな不意打ちはなしですよ~」
秀は慌てて席に着く。
「担任ナイス」
今度は口に出ていた。
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