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神崎 秀…こいつはこの学校に入ってからの付き合いで、恐らくクラスで一番のムードメーカーだ。その上、会話が上手く、無類のゴシップ好き。時には誘導尋問の様な会話で、相手の本音を聞き出したりもする。良い方向に使う時は相談事を聞いたりもするが、さっき俺と話してた時の様に、立たない煙を立てようとする。そのせいで無駄に人の情報を持っていたり、人によっては逆らえない程の弱味を握られているとか。まあ、噂でしかないが。
ホームルームの間で秀の事を頭で整理しながら、上の空で過ごしていると…
「八神君、呼ばれてるよ?」
担任から呼ばれている事をクラスメイトが教えてくれた。
「あ…ごめん。なんですか?」
「ボーっとしてるなよ?一限の間に話があるから、ちょっと職員室まで来てくれ。」
「え?はい、分かりました」
(どうせ、将来の話だろ?)と毒づきながら、席に座り、また上の空に戻る。
そうこうしてる内にホームルームが終わったようだ。
「じゃあ八神、行くぞ」
「あっと…すみません、トイレに行ってから向かいますので」
「分かった。じゃあ先に行ってるからな」
そう言うと、担任は先に歩いて行った。まあ、サボりたいのはやまやまだが、そうも言ってられないのが現状だ。なんせ、進路を決めてないのはクラスでは涼一人なのだから。
(面倒だけど、何を言ってくるかを想像して、それに対する答えを用意する時間を貰ってもいいよな?)
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