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「あの…やめてくれませんか?」 不意に耳に入る、舞からの冷たい一言。 女の子からそんな事言われもしなかった俺は、どうすればいいのかという戸惑いと、舞から言われた例えようもないショックで腕の力を緩めた。 舞はその隙にスルリと俺の腕から抜けると、 「むやみやたらに、そういう事はしない方がいいと思いますよ。」 とだけ言った。 「ちょっ…お前…!!」 キィーーーーー 反論しようとした俺の声は、来た列車に遮られて舞になんか届かなかった。 女なんて、格好良ければ誰だっていいと思ってると思ってた。 第一、俺から抱きついて拒否されたのは初めてだ。 これは…振られたと言うことなのか…?? 俺には初めての経験ばかりで、頭が壊れそうだった。 それでも… 舞を思い出す度、 つい、笑みが零れる自分がいた。 *゜
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