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学校に一人立つ俺。
今日は虚しさがやけに際立つ。
舞から拒否されたという事実が俺を後悔へと導いていた。
確かに…いきなり抱きつかれたらビックリするだろう。
きっと、軽い男に見られたんだろうな…。
マイナスな事ばかりを考えている内に下駄箱の前まで来ていた。
「舞ちゃーん、ありがとー♪」
馬鹿にしたような女の声が靴を入れようとしていた俺の耳に入る。
俺は影から声のする方を見た。
「舞ちゃんはお利口でちゅねー♪」
「はい、お金。」
「あんたそれ二十円しかないじゃん!!」
「え?デブにはこれで十分でしょ。」
「ギャハハ!!言えてるー!」
女たちは下品な笑い声を上げながら教室に向かうのか、歩き出した。
舞はというと、落ちた二十円を拾い上げている。
さっきの会話中、ずっと無言だった舞。
俺は何故か顔を見ることができなくて、影に隠れた。
舞はいつの間にかいなくなっていて、俺はもどかしい感情と共に下駄箱に取り残された。
*゜
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