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駅についた俺たちは傘をたたみ、手は離さずに改札を通る。 「痛っー…」 どこかにぶつけてしまったのか、舞が声を出した。 「あ…わりぃ…。」 俺はぶっきらぼうに手を離すと、舞に謝った。 「いや…違うんです…。」 舞は申し訳なさそうに下を向き、顔を真っ赤にしながら言った。 朝っぱらから俺の理性を飛ばそうとする舞………困る。…非常に困る。 はたから見たらブスデブメガネかもしれないが… 俺から見たら… ヤバいくらい…可愛いんだ。 「ひゃっ…」 俺は舞を強引に抱き締めた。 「えっ!!あのブスデブメガネが謙太君と抱き合ってるよ!」 「はぁー!?まじ有り得ないし!」 「謙太君からしてみれば、いい迷惑だよね。」 周りの音なんか俺に聞こえなかった。 今、聞こえるのは… 舞のか、俺のか分からないくらい大きな… 心臓の音、だけだった。 *゜
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