旅の再開

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「ミツル」 「何だよ」 「なんでもありません」  ふふ、とカイルは微笑む。本当に、不思議な奴。 「なんだよ、言えよー。気になるじゃないか」 「なんでもないですよ」  カイルの腕をつかみ、ぐらぐら揺らす。カイルは変わらずに笑っている。 「もー」 「ははは」 「バカップル……」  ジェイが長い溜息をついた。 「なあ、カイル」 「何でしょう」  あたしはぶらさげた剣の柄を触る。たくさんの魔物を切った剣。もう一つの相棒。 「あたし、強くなったか?」 「もちろんです」  即答が嬉しい。 「レベル、上がったかなあ?」 「調べてみますか?」 「調べられるの!?」  ええ、とカイルはうなずく。 「ジェイ」 「はいはい」  ジェイはリュックをガサゴソと探し、手のひらサイズの丸い物体を取り出す。まんまるでビー玉みたい。にごった青色をしている。あたしはそれを受け取った。
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