浴衣三姉妹(?)大暴走!?

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「まぁ、俺は別に構わんぞ。愛栖にも教えとくよ」  祭となれば、愛栖が来ない筈が無い。  或いは祭のことを知らない可能性も考えられるが、その場合も好奇心に後押しされ、結局は来ることになるだろう。 「そうか、じゃあ頼んだぜ。俺、御坂と回りたいし」  そのお前の願望が叶った試しなんて今までにあったっけか?  持つだけ無駄な願望なら持たない方がいいと思うんだけどなぁ。  その後鮫嶋と別れた俺は、さっさとクーラーの効いた部屋に入りたかったのもあり、早足で家に向かった。  家に着き、玄関戸をあけて中に入る。  出迎えは無かった。  瑞樹も今日は部活で、母親は仕事に行っている。  俺は靴を脱ぎ捨てると、汗臭い洗濯物を脱衣所にある洗濯機の中に放り込み、そのまま階段を上がって二階へ向かった。  部屋に入ると、まずはその温度差に驚かされた。  クーラーによって少し寒いぐらいに感じる程冷やされた室内は、妙に薄暗い。  カーテンが未だに閉め切られているからだ。  そして俺のベッドの上では、愛栖が長い髪の毛を大きく広げ、心地良さそうに寝息を立てていた。  いや引き篭もりかお前は。  
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