浴衣三姉妹(?)大暴走!?

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 まぁ、現にほぼ毎日引き篭もってる訳だから引き篭もりに相違ないだろうが。  しかし、まるで人形がそこに居るようだ。  透き通るような肌は思わず触ってみたくなるほどに綺麗で、その可愛らしい寝顔には気付けば見とれてしまっている。  華奢な体で布団を抱きしめている様子は、見るもの全てを幸せな気分に出来そうな幻想的な光景だ。  起こすのも悪いので、俺は静かに勉強机のところにある椅子に腰掛ける。  一息ついて、しばらくこの冷気を体に染み渡らせる。  何て心地いいんだろうなぁ、おい。  ……と、ポケットに入っている携帯が震えた。  取り出して見ると画面には、鮫嶋と同じく部活仲間でクラスメートの大江美優(おおえみゆ)からの着信であることが表示されていた。  通話ボタンを押し、耳に携帯を当てる。 「もしもし?」 『あぁ、和樹? 今日昼からどうせ暇でしょ?』  名乗りもせずにいきなり何だ。しかもどうせ、とは失礼な奴だな。  まぁ確かに暇だけどさ。 『明日の祭に着て行く浴衣を買いに行くんだけど、一緒に来てくれない!? ハルちゃんも来るの!』  ほう、美優とハルも祭りに行くってことか。 「てか、何で浴衣買いに行くのに俺が行かないといけないんだ」  
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