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何気なしに訊いた言葉に、美優は過剰に反応する。
『だ、だから、仕方ないからあんたに私の浴衣を選ばせてあげようって言ってるんでしょ! 分からない奴ね! あんたは!!』
別に選びたいとか思ってないからな?
その、俺がお前の浴衣を選びたいと思ってるみたいな言い方は止めなさい。
『べ、別に、無理だったり嫌だったりするならいいのよ!? 別に来て欲しいって訳じゃなくて、来れるなら来ればいいんじゃない!? 的なノリだから!』
美優の今の台詞を要約すると、多分こうなる。
『無理でも嫌でも、とにかく来なさい! ていうか、来て! お願い!!』
美優は思ったことは殆ど口には出さない。特に俺には何も言わない。
でも、悪いが完璧に丸分かりだ。
まぁ別に、昼からは特に予定も無く確かに暇だから、別に良いんだけどな。
良い暇つぶしになるか。
「分かった。行くよ。何時に何処行けばいいんだ?」
『え……あ、そう、来るんだ。じゃあ二時に駅前で良い?』
何その、「え……意外……」と言いたげな反応は。
俺がOKするとは思ってなかったのか。
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