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「うわあ！ 浴衣！ 和樹！ あたしも浴衣欲しいな!! それに、あたしも祭り行きたい！」
「祭は行ったら鮫嶋が喜ぶと思うぞ。浴衣は買えばいいんじゃないか」
この部屋には、一億円の入った愛栖のバッグがあるんだからな。
どんな高級な浴衣でも買えるだろ。いっそのこと、オーダーメイドとかどうだ。
「シャアはヤだけど……」
鮫嶋、今の愛栖の一言を携帯で録音して、お前にメールで送ってやればよかったかもな。
「……でも祭には行きたい！ 和樹、あたしも一緒に浴衣買いに行っていい!?」
「俺は構わんけどな……」
美優がどんな反応をするか何となく予想が出来る気がするし、それは俺にとって決して良い予想とは言えなかったが。
「何、そのちょっと困るみたいな反応。駄目……？」
俺のすぐ近くで上目遣いが炸裂した。
いや別に、そんな目をしなくても連れてってやるけどさ。お前を連れて行くのが嫌だとか、そういうわけじゃないから。
マジで、そんな目で見ないでください。俺が壊れそうだから。
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