浴衣三姉妹(?)大暴走!?

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「だ、駄目じゃない! てか駄目なんて言ってないだろうが!」  俺はちょっと愛栖から顔を離して、言い訳するみたいに言った。別に言い訳してるわけではないが。  全く、愛栖に何か言うには表情にも気を配らなくてはならんらしいな。 「ホント……? 良かった」  愛栖は愛栖で、心底安心したような表情をするんだもんなぁ。  本当、あの“台風の夜”に愛栖の中で何かが変わったことは間違いないらしい。  何がどう変わったのかは分からんが、とりあえず俺に戸惑いをもたらすような変わりようだから困る。  前の愛栖に戻ってくれないかなぁ。 「で、いつ行くの!?」 「二時だ。まだ一時間程あるから、とりあえず昼食うか」  風呂にも入りたいしな。ちょっと今日は汗をかきすぎた。 「今日は何食べるの!? どっか食べに行くの!?」 「お前夏休みに入ってからずっとそんなことばっかり言ってるけどな、うちの経済状況とか俺の財布の中とか考えて言えよ。カップメンだ」  愛栖はやっぱりお嬢様なのか、毎日毎日昼になると外食しようとか言ってくるんだよな。  その辺は少し庶民とズレているところだ。まぁ俺は、絶対に外食などしないが。  家でカップメンでいいんだよ。昼飯ぐらいは貧祖でいいんだ。  
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