9366人が本棚に入れています
本棚に追加
「ばばばば馬鹿和樹!! 何で裸なの!!」
愛栖は慌てて、背を向けた。
俺も見られた時点では大して気にしなかったが、大声を上げられて思った。
これはヤバイ。と。
「お、お前がノックとかしないで入ってくるからだろ!!」
「トイレじゃあるまいし、しないでしょ普通!!」
長い髪に完璧に隠れて見えないが、多分今愛栖は真っ赤になっているに違いない。
「い、いーや、するね!! て、てかここ脱衣所だぞ!! 裸で居る可能性だって普通にあるだろうが!!」
言いながら、自分でもすっげぇ惨めな言い訳にしか聞こえないのは何でだ。
ついでに、猛烈な罪悪感が今俺を押しつぶそうとしている。
……誰か助けて……。
ていうか、愛栖も何でまだここに居るんだよ。
背を向けてるけど、普通は悲鳴を上げたらドアを突き破るみたいにして開けて、顔を両手で押さえながら飛び出して行くもんなんじゃないんですか？
「と、とにかく、早く服着てよ……そっち見れない」
見なくていいだろ、と思ったけど、この状況で服を着ない訳にもいくまい。
俺は仕方なく、かなり急いで服を着た。
あぁ、まだ汗がひいていなかったのに……。服が体に貼りつくじゃないかよ……。
最初のコメントを投稿しよう！