浴衣三姉妹(?)大暴走!?

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 全く、裸を見られたのはどっちだと思ってるんだ。  俺が「キャー!」と声を上げておけば、逆に愛栖が罪悪感を感じてくれたのかな。  俺は頭を少し掻いた後、ドライヤーを手に髪を乾かし始める。  いやはや全く、この家に居ると油断も出来ない。  少しぐらい俺にゆとりとか余裕を与えてくれてもいいんじゃないのか。  何で俺が常に気を使わなくてはならんのだ。  この後だって、愛栖に何て話しかければいいんだよ。  愛栖が気まずそうにしているのに、俺が気まずくならないわけが無いじゃないか。  ――はぁ、何だか休みに入って余計に疲れている気がするぞ、俺。  ――さて、集合場所に少し早めに着くよう、歩く時間も考えてかなり早めに家を出る……なんてのは常識ある奴なら誰でもすることだと思う。  だがうちの場合、俺がそうしようとしても、出発直前になってバタバタする奴が居る訳だ。  無論、愛栖である。 「おい、いつまでやってんだよ」 「だって、何か髪の毛おかしいんだもん!」  愛栖は既に準備万端であるように見えたため、俺は当然もう出発出来るのだと思い込み、「そろそろ出かけるぞ」と声をかけた、それが何かの合図だったのか。  愛栖は突如、狂ったかのように髪の毛がヘン! と、鏡も見てないのによく分かるなー的なことを言い出し、さっきから脱衣所にある洗面台の鏡の前で髪をセットしているのだ。  見た感じ、普段と何も変わらないように見えるんだけどな。  
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