浴衣三姉妹(?)大暴走!?

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「何で一緒に出かけるイコールデートなんだよ。俺と愛栖はそういう関係じゃないから」  ていうか別に兄が誰とデートしようが、妹に何か言われる筋合いは無いと思うんだが。  まぁ、それでも言ってくるのが俺の妹なのだがな。 「で、でもじゃあ! 何処に行くの!? 二人で!!」 「浴衣買いに行くんだよ。愛栖持ってないから、友達が買いに行くついでに一緒に連れて行くんだ」 「もしかして明後日のお祭の!? えぁーいいなぁ。私も買いたいなぁー!」  お前は確か、去年か一昨年、母親が駄目と言うのを押し切って買ってただろ。  あるんだったらそれを着ればいい。てかそもそも、買う金が何処にあるんだ。 「えー! 嫌だ!! 私も新しいの欲しいー!!」  その場で地団太を踏む瑞樹に困り果てながら、俺は再び時間を確認する。  やべぇ、集合時間を五分も過ぎている。  にも関わらず、まだ家に居るって、死亡フラグじゃないですか。  ――仕方ない。少し強行手段に出よう。  俺はサンダルを履き終え、「デ……デ……」と洩らしている愛栖の手をとった。 「ひょひゃぁ!!」と、いきなりのことに愛栖はビックリしたようだが、今は愛栖のリアクションより自らの命、そう、ライフポイントの方が大事だ。  もう俺のライフポイントは負の数いっちゃってるんじゃなかろうか。  
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