浴衣三姉妹(?)大暴走!?

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 そしてそのまま、愛栖を引っ張って瑞樹をするりとかわし、家の外に飛び出す。 「あっ! お兄ちゃん!!」  瑞樹は慌てて追いかけてこようとしたが、 「悪い、時間が無いんだ! 話はまた帰ったら聞くから!」と言い残し、俺は愛栖を引っ張り走ることだけに集中した。 「ちょ、ちょ、ちょ!! 和樹!! 離して!!」  愛栖はさっき俺の裸を見たことを未だに気にしているらしく、顔を真っ赤にしながら俺の手を振り解(ほど)こうとしている。  だが今振り解かれて、また余計な時間を食う羽目になってしまっては本気で殺されるかもしれない。 「お前が家で待ってるって言うなら離してやってもいいぞ。悪いけどな、美優には二時に集合って言われてるから、お前の手を離してお前のペースに合わせて走ってる暇は無いんだよ」  実際にそうなので仕方ない。  美優に何かクドクドと言われるだけでもかなり面倒だというのに、殺しにかかられてはたまらないんだよ。  幸い、俺の言葉を聞いた愛栖は慌てたように、 「え……! それは…………ヤダ」  とだんだん声まで小さくして、手を離そうとする行為は止めてくれた。  ホント、俺の裸なんか見て一体何を恥ずかしがることがあるって言うんだ。  水泳のときとか、男は常に上半身裸なんだけどなぁ。  この夏もしプールに行くことになっても、愛栖は連れて行けないってことか。  
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