お月様とわたし

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私の帰る場所。 ずっと雨だった。 雨が嫌いなわけじゃなかった。 ただ、ひとりで部屋にいることが嫌だった。 夕暮れと共に雨は止み、 西の空を赤く染め上げていた。 また、ひとりの夜が来る。 久しぶりに 見上げる夜空は なんかいつもより たくさんの星達で いっぱいだった。 なんだか、とっても羨ましかった。 そんな時、星達の真ん中で いつもより 優しく微笑んでいるお月様が 私に言ったの。 『おかえり。』って なんだか…、その一言が とっても嬉しかった。 優しい光に包まれながら しばらく星空を 眺めていたの。 お月様が言ってくれた言葉を噛みしめて 心の中で思ったの。 『ただいま。』って
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