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『だって・・・
白衣って、萌えるじゃん?』
あたしは、そんな彼に気を遣うように
あくまでも控えめに訴える
「ハァ」
麗耶は溜め息を一つ吐くと
何故かあたしの元に近づいてきた
あたしは麗耶の意外な行動に驚き
思わず彼の足元の動きを追う
「へ?」
麗耶が、目の前まで来ていた時
あたしは変な声をあげてしまった
『・・・ちょっと何ですか?』
麗耶の行動の意図が掴めず、テンパるあたしに気を留める訳でもなく
「そんな趣味があったんだ?」
と耳元で囁くと
彼は、意地悪くニヤリと微笑んだのだ
『?!
趣味ってゆーかですね
別にコスプレが好きな訳じゃ・・・』
“趣味”と勘違いされ、慌てて否定するものの
彼の意味ありげな視線に、顔を俯かせ、言葉を飲み込む
「でも、それ俺に着て欲しいんだろ?」
低く甘いその声に、思わず顔を上げると
怪しい眼差しが
あたしを見下ろしていた
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