甘い罠

7/9
631人が本棚に入れています
本棚に追加
/143ページ
夢依は、丸い瞳を潤ませ、ねだるような上目で祐太を見つめる 夢依のどこか色気を感じさせる表情に 悩ましげな様子で僅かに俯いた祐太の瞳には、長い睫毛が影を作っている 数分ともしない内に 「分かった」 と祐太は渋々首を縦に振った 了承と共に、祐太は夢依の側にいる麻耶の元へと足を進める 「おい、祐太?」 近づいてくる祐太に、危機感を感じた始めたのか 麻耶は、不安げな声で祐太に呼びかけた 麻耶は薄い唇をうっすらと開け、祐太の動きを追っているようだ 「祐太?--- 祐太ってば!」 すぐ目の前に仁王立ちしている祐太に、 座った状態からの麻耶は、上目で見、警戒しているのか、声を強張らせた 不安げに肩を震わす麻耶に構わず 祐太はひざまずき、麻耶の顎に手をかける  
/143ページ

最初のコメントを投稿しよう!